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臍ヘルニアとは:原因から治療法まで

2024.09.14

こんにちは。広島アルプスクリニックです。
臍ヘルニアは、一般的に見られる腹壁の疾患です。
この記事では、臍ヘルニアの定義、原因、症状、そして治療法について詳しく解説します。

臍ヘルニアとは

臍ヘルニアは、腹腔内の組織(主に脂肪や腸管)が腹壁の弱い部分(通常はへその周り)を通して押し出される状態を指します。
これにより、へその部分が膨らんで見えることがあります。一般的には「出べそ」と呼ばれることがあります。

原因

1.先天的な腹壁の弱さ

胎児期の発達過程で、へその部分(臍輪)が完全に閉じずに残ることがあります。
この先天的な弱点が、生後や成長後に臍ヘルニアとして顕在化することがあります。
特に早産児や低出生体重児に多く見られます。

2.出産後の腹圧の上昇

妊娠中は腹部が大きく拡張し、腹壁が引き伸ばされます。
出産後、腹壁の筋肉や組織が元の状態に戻る過程で、へその周りに弱い部分が残ることがあります。
また、出産時の腹圧上昇も臍ヘルニアの発症リスクを高める要因となります。

3.肥満

過度の体重増加は腹部に余分な脂肪を蓄積させ、腹壁に継続的な圧力をかけます。
この持続的な圧力が腹壁を弱め、特にへその周りの組織が伸びやすくなります。
また、肥満に伴う慢性的な腹圧上昇も臍ヘルニアのリスクを高めます。

4.重い物の持ち上げによる腹圧の上昇

重量物を持ち上げる際、腹筋に力を入れることで一時的に腹圧が上昇します。
特に不適切な姿勢で重い物を持ち上げると、腹壁に過度な負担がかかります。
繰り返しこのような状況に置かれると、腹壁の弱い部分(特にへその周り)が徐々に弱くなり、ヘルニアが発生しやすくなります。

5.腹水などによる腹部の膨満

腹水(おなかに水がたまる状態)や腹部腫瘍などにより、腹腔内の容積が増加します。
これにより腹腔内の圧力が持続的に上昇し、腹壁、特にへその周りの弱い部分に負担がかかります。
長期間この状態が続くと、臍ヘルニアが発生するリスクが高まります。

これらの要因は単独で作用することもありますが、多くの場合、複数の要因が組み合わさって臍ヘルニアの発症につながります。
個人の体質や生活習慣、既往歴なども発症リスクに影響を与える可能性があります。

症状

臍ヘルニアの一般的な症状には以下のようなものがあります。

●へその部分の膨らみや突出
●へその周りの痛みや不快感
●腹圧がかかったときの痛みの増強(咳やくしゃみ、持ち上げ動作など)

治療法

臍ヘルニアの治療法は、症状の重症度や患者の状態によって異なります。主な治療法には以下のようなものがあります。

経過観察: 小さな臍ヘルニアで症状が軽い場合は、定期的な診察で経過を見守ることがあります。
圧迫療法: ヘルニアベルトなどを使用して、へその部分を圧迫し、ヘルニアの突出を抑える方法です。しかし、これは進行を遅らせるだけです。
開腹手術:従来の方法で、腹部を切開してヘルニアを修復します。
腹腔鏡手術:小さな切開で行う低侵襲な手術方法です。
生活習慣の改善:適切な体重管理、重い物を持ち上げる際の正しい姿勢の習得、腹圧を上げる動作の回避

予防法

臍ヘルニアの予防には以下のような方法があります。

1.適切な体重管理
2.定期的な運動による腹筋の強化
3.重い物を持ち上げる際の正しい姿勢の習得
4.便秘の予防と治療

臍ヘルニアは適切な治療と生活習慣の改善によって、多くの場合管理可能な疾患です。症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

まとめ

多くの場合、臍ヘルニアは深刻な健康上の問題とはなりませんが、適切な診断と対応が重要です。治療法は症状の程度によって異なり、経過観察から手術まで選択肢があります。
痛みがある場合や大きさが急に変わった場合は、合併症のリスクがあるため、すぐに医療機関を受診することが大切です。

当クリニックでは、腹腔鏡による日帰り手術をご提供していますので、お気軽にご相談ください。

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